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要らないかもしれませんが、、人生のスパイス、イタリアンスピリットをおすそわけ。


by AYA

ヴェネチアから日本のみなさまへ

日本のみなさま、、大事件です。

昨日のゴールデンタイムのニュースをみていましたら、、

「ヴェネチアのゴンドラ委員会が、新たな文化保護規制をつくる方向に進んでいます。」

それは

「ヴェネチア文化を保護するため、観光客がゴンドラで船こぎにナポリ民謡である
「フニクリ・フニクラ」や「オーソレ・ミーヨ」をリクエストしても今後断っていく。」

というもの。


ゴンドラ委員会のみなさまのインタビュー内容。

「日本の観光客がオーソレ・ミーヨを当然の様にリクエストしてきても
いままではそれに答え歌ってきていた。しかしナポリで日本人がヴェネチアの歌を
リクエストするのを見たことあるかね?NOだろ。」

「日本人はゴンドラでオーソレミーヨ、フニクリ・フニクラを
歌うことに何の罪悪感も感じていない。」

などなど、、、何より聞き入ってしまったのはここでの「わかってない観光客」の主役
になっちゃってるのは、アメリカ人でもドイツ人でもなくわれわれ、日本人なのであります!!

でも知りませんでした私、日本の皆様がそんなにゴンドラで歌ってらっしゃったなんて。

考えてみれば私達にとって、オーソレミーヨ、フニクリ・フニクラ=イタリアのカンツォーネ
ですものね。歌うとしたら、この選曲で当然!ですわよね。

私達は東京であろうが、京都であろうが、「スキヤキソング」を歌ってる外人さんを
みたって、怒りませんわよね。禁止令などだしませんわよね。

しかしここはイタリア。連邦制ですか?ってくらいに郷土意識が強いのであります。
なにせイタリアとして統一したのが1860年。。。それまでヴェネチアとナポリは別の
国でした。。日本人の私達とは少し違う感覚です。

イタリアにいるとこのオリジン問題は想像以上にイチモツもっていらっしゃる方が多いことに
気づきます。

夕食の楽しい席でも、この郷土問題が課題にあがると喧嘩までとはいかなくとも、
言い争いやきまずーい空気が流れることもたびたび。
*年齢が高い人ほどこの傾向があるのでご注意ください。

たとえば、、、フィレンツェ人とプーリア出身の人がいる席で

私「プーリア料理って野菜が多くて、魚の扱い方もうまいし、日本人にとてもあうんだよね。」

プーリア人:「でしょー。フィレンツェ人は魚の扱いをわかってないよ。」

フィレンツェ人:「おいおいフィレンツェ料理は世界のグルメの中心だって。フランス料理も
カテリーナメディチが元をつくったんだから。」

プーリア人:「いや、でもやっぱり魚はね。。。」

シーン。。。。。

その他にも、、、

シチリアでヴィンサントとカントゥッチを頼むのはほぼ不可能だし、

ナポリでパルミッジャーノが食べたくなっても、モッツァレッラを食べるべきだし、

ピエモンテの田舎でキアンティ・クラッシコを注文するのは避けたほうがいいし、、

ゴンドラでナポリ民謡なんて!、、というヴェネチア人の誇りも当然!ということらしいです。

おいおい、、今までさんざん歌ってきて、なんで今さら、、
というのが疑問なのですが。そのへんのツッコミは逆切れされるのでおいとくとして。。

とにかく’’Do as Romans do’’「郷に入れば郷にしたがえ」の諺がローマ人という名をかりた
イタリア人であるのも身をもって納得なのです。

でも、、、ヴェネチアのカンツォーネって???しらない。。。。

La Gndoliera ラ・ゴンドリエラ
http://www.youtube.com/watch?v=_EotrNLB1zI&feature=related

なかなか素敵です。

でも、やっぱりオーソレ・ミーヨでないと、、、とおっしゃる皆様、ご安心を。
ゴンドラ委員会のシニョーレによりますと、

「でもさ、日本のお客さんがどうしてもっていわれたらオーソレミーヨを歌うんだけどさ。
 お客さんに楽しんでもらいたいしね。」

このあたり、規則をやぶっても状況にあわせる能力に長けたイタリア人ならではの
個人の判断にまかされてます。

ですが、今ごろあわてだしたヴェネチア人への心遣いも含めて、今後はヴェネチアの
カンツオーネをリクエストしてあげてくださいね。ゴンドラの運ちゃんから
「おぬしなかなかやるな。」と思われること間違いなしです!

ところで、フィレンツェのアルノ川にもゴンドラが、、、、

さてここでは何を歌うのでしょう。
by ayamatsui | 2010-10-03 04:43 | イタリア魂!